元湘南美容外科院長が仙台に開業した理由
湘南美容外科の仙台院で約5年間院長を務めた私が、なぜ独立開業を決意したのか。大手美容外科と個人クリニックの違い、仙台という土地を選んだ理由、そして目指す美容医療の形について、本音で語ります。
なぜ開業したのか
「大手美容外科の院長を辞めて、なぜ個人クリニックを開業したんですか?」
開院準備を進める中で、最もよく聞かれた質問がこれでした。確かに、安定した立場を捨てて独立するのは、リスクを伴う決断です。しかし、私にはどうしても実現したい医療の形がありました。
湘南美容外科の仙台院で5年間院長を務める中で、多くの患者様と向き合い、数万件の症例を経験させていただきました。大手クリニックだからこそできたこともあれば、組織の一員だからこそ限界を感じたこともありました。
この記事では、私が独立開業を決意した理由、そして仙台という土地を選んだ背景について、率直にお話ししたいと思います。美容外科クリニック選びに悩んでいる方、大手と個人クリニックの違いを知りたい方にとって、参考になれば幸いです。大手美容外科での5年間——貴重な経験と感じた限界
参考動画
大手美容外科での9年間——貴重な経験と感じた限界
症例数の多さがもたらした成長
特に湘南美容外科の仙台院で院長を務めた5年間は、医師として大きく成長できた期間でした。
大手クリニックの最大の強みは、圧倒的な症例数です。二重整形、目の下のくまとり、鼻の形成、輪郭手術、豊胸術、脂肪吸引——あらゆる美容外科手術を経験する機会がありました。
1日に何件もの手術を行い、様々なタイプの患者様と向き合う中で、技術は確実に磨かれていきました。教科書には載っていない、実践でしか学べないノウハウも数多く身につけることができました。
また、後輩医師の育成にも携わり、複数の院長を育てる経験もさせていただきました。人に教えることで、自分自身の理解もより深まったと感じています。
感じ始めた「違和感」
しかし、経験を重ねるにつれて、ある種の違和感を覚えるようになりました。
大手クリニックでは、効率性と収益性が重視されます。1日に多くの患者様を診察し、多くの手術をこなすことが求められます。もちろん、医療の質を保つことは大前提ですが、どうしても「数」を意識せざるを得ない環境でした。
あるとき、口コミでこう言われたことがあります。
「先生は偉そうにしていてちゃんと診察してくれない」
私は様々な症例を通じて、最も綺麗になる道筋を瞬時にイメージするトレーニングをしていたので、偉そうにしていたつもりはありませんでしたが、十分なカウンセリング時間を確保できていなかったため、コミュニケーションエラーが起こり、そのような誤解を生んでしまっていました。
このとき私は、「もっと時間をかけて、一人ひとりの患者様と向き合いたい」と強く思いました。
「業績」よりも「ありがとう」を追求したい
大手クリニックでは、月間の手術件数や売上といった数字が評価の対象になります。これは企業として当然のことですし、否定するつもりはありません。
しかし、私が医師として本当に大切にしたいのは、数字ではなく、患者様からの「ありがとう」でした。
「先生のおかげで人生が変わりました」 「鏡を見るのが楽しくなりました」 「もっと早く相談すれば良かったです」
こうした言葉をいただくたびに、美容外科医としてのやりがいを感じてきました。これからは、この「ありがとう」の積み重ねだけを追求したい——そう思うようになったのです。
なぜ「仙台」だったのか
東北における美容医療の課題
独立を決意したとき、開業地として仙台を選んだのには明確な理由がありました。
5年間、仙台で診療を続ける中で、東北における美容医療の課題を強く感じていました。
情報格差の問題
都市部に比べて、美容医療に関する正確な情報が届きにくい環境があります。SNS広告による過度な価格訴求や、誇大な効果の謳い文句に惑わされてしまう方も少なくありません。
技術格差への不安
「東北だと技術的に不安」という声も聞きました。実際、経験豊富な医師がほとんどおらず、わざわざ東京まで通う方もいらっしゃいます。
カウンセリングの質のばらつき
短時間のカウンセリングで即決を迫られた、十分な説明がなかった、という相談を受けることもありました。
仙台で「本当の美容医療」を提供したい
私自身、5年間仙台で過ごす中で、この土地に愛着が湧いていました。
東北の方々は、誠実で真面目な方が多いと感じます。派手さを求めるのではなく、「自然に、でも確実に改善したい」という控えめな希望を持つ方が多いのも特徴です。
こうした地域性にこそ、私が目指す美容医療がフィットすると確信しました。
- 一人ひとりに時間をかけた丁寧なカウンセリング
- 過度な変化ではなく、自然な仕上がりを重視
- 数字ではなく、患者様の満足度を最優先
- 地域に根ざした、長く通える関係性
仙台だからこそ、この理想を実現できると思ったのです。
個人クリニックだからこそできること
カウンセリング時間の確保
大手クリニック時代、カウンセリングは1人あたり10分程度が標準でした。しかし、患者様の悩みは一人ひとり異なります。本当に必要な施術を見極め、リスクも含めて十分に説明するには、もっと時間が必要だと感じていました。
個人クリニックでは、初診のカウンセリング枠に最低でも60分を確保します。急かすことなく、じっくりとお話を伺い、最適な治療計画を一緒に考えていきます。
「売らない」カウンセリング
大手クリニックでは、どうしても「提案」が「営業」に近くなってしまうことがありました。
私のクリニックでは、必要のない施術は提案しません。むしろ、「今はやらない方がいい」「まずは別の方法を試してみては」と伝えることもあります。
短期的には売上にならないかもしれませんが、患者様との信頼関係は確実に深まります。そして、本当に必要なときに選んでいただけるクリニックでありたいと思っています。
一貫した責任体制
大手クリニックでは、カウンセリングと手術を別の医師が担当することもあります。また、アフターケアの際には別の医師が対応する場合もあります。
個人クリニックでは、カウンセリングから手術、アフターケアまで、すべて私自身が責任を持って担当します。一貫した診療により、細かな調整や経過観察もスムーズに行えます。
「未来から逆算する」カウンセリング
5年後、10年後を見据えた提案
私が大切にしているのは、「今」だけでなく「未来」を見据えた治療計画です。
たとえば、二重整形を希望される20代の方には、「30代、40代になったときにどう変化するか」も説明します。今は埋没法で十分でも、将来的にたるみが出たときのことも考慮して、選択肢を提示します。
逆に、40代以降の方には、「今だけ良くしても、数年で元に戻る可能性がある」といったリスクも正直にお伝えします。
美容外科は、その場限りの変化ではなく、長期的な美しさをサポートするものだと考えています。
「設計型」美容医療という考え方
私が提唱しているのは、「設計型美容医療」という考え方です。
建築に例えるなら、施術単体は「部分的なリフォーム」です。しかし、顔全体のバランスや、将来的な変化を考慮した「設計図」があれば、より満足度の高い結果が得られます。
- どの部位から手をつけるべきか
- どのタイミングで追加の施術を検討すべきか
- 日常のケアで何を意識すべきか
こうした長期的な視点でのアドバイスを、カウンセリングでしっかりと行います。
「紹介・口コミ9割」が示すもの
数字が証明する信頼
現在、私のもとを訪れる患者様の約9割が、紹介や口コミ経由です。これは、広告や宣伝ではなく、実際に施術を受けた方々の満足度が高かった証だと自負しています。
美容医療は、結果がすべてです。どれだけ言葉を尽くしても、実際の仕上がりや対応が伴わなければ、人は紹介してくれません。
「友達に紹介できるクリニック」を目指して
私が目指すのは、「大切な友達や家族に自信を持って紹介できるクリニック」です。
そのためには、技術はもちろんのこと、対応の丁寧さ、説明の分かりやすさ、アフターケアの手厚さ、すべてにおいて誠実でなければなりません。
開業後も、この「紹介したくなるクリニック」であり続けることが、私の最大の目標です。
開業への思い
「心まで満たす」美容医療を
美容外科は、見た目を変えるだけの医療ではありません。
コンプレックスが解消されて自信が持てるようになった、人前に出るのが楽しくなった、前向きな気持ちで毎日を過ごせるようになった——患者様のこうした変化こそが、美容医療の本当の価値だと思っています。
私は、技術だけでなく、患者様の「心まで満たす」美容医療を提供したいと考えています。
業績ではなく「ありがとう」の積み重ね
大手クリニックでの経験は、医師としての基盤を築いてくれました。しかし、これからは数字ではなく、一人ひとりの患者様との関係性を大切にしていきます。
月に何件手術をしたかではなく、何人の患者様に笑顔になっていただけたか。これが、私の新しい評価基準です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 大手クリニックと個人クリニック、どちらがいいのでしょうか?
A. それぞれにメリットがあります。大手は症例数が多く、設備も充実していますが、効率性が優先されることもあります。個人クリニックは、一人ひとりに時間をかけた丁寧な対応が可能ですが、医師の技術や経験に左右されます。重要なのは、「誰に診てもらうか」です。
Q2. 先生が担当された症例を見ることはできますか?
A. もちろんです。カウンセリングの際に、あなたのお悩みに近い症例写真をお見せします。術前・術後だけでなく、数ヶ月後の経過写真もご覧いただけます。
Q3. セカンドオピニオンとして相談することはできますか?
A. はい、大歓迎です。他院で提案された治療内容について、客観的な意見をお伝えします。無理に当院での施術をお勧めすることはありませんので、安心してご相談ください。
Q4. カウンセリングだけでも大丈夫ですか?
A. もちろんです。カウンセリングを受けたからといって、必ず施術を受ける必要はありません。まずはお悩みを聞かせていただき、最適な選択肢をご提案します。じっくり考えていただいて構いません。
まとめ
湘南美容外科での9年間は、医師として貴重な経験でした。しかし、「もっと一人ひとりの患者様と向き合いたい」という思いが、独立開業への原動力となりました。
仙台という土地を選んだのは、東北における美容医療の課題を肌で感じ、「ここで本当の美容医療を提供したい」と思ったからです。
私が目指すのは、以下のようなクリニックです。
- 時間をかけた丁寧なカウンセリング
- 未来を見据えた治療計画
- 自然な仕上がりを重視した施術
- 一貫した責任体制
- 「ありがとう」の積み重ねを大切にする診療
大手クリニックでの実績と経験を活かしながら、個人クリニックだからこそできる、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供していきます。
当院へのご相談
「美容外科に興味はあるけれど、どこに相談すればいいか分からない」「大手と個人クリニック、どちらがいいのか迷っている」——そんな方こそ、ぜひ一度当院のカウンセリングにお越しください。
無理な勧誘は一切いたしません。あなたのお悩みをじっくり伺い、最適な選択肢を一緒に考えます。施術を受けるかどうかは、十分に納得してから決めていただいて構いません。
ご予約はお電話またはウェブサイトの予約フォームから承っております。皆様のご来院を、心よりお待ちしております。

執筆
院長 田中 龍二
TANAKA Ryuji
RÉ CLINIQUE SENDAI 院長
元 湘南美容外科 仙台院院長
北海道・東北エリア統括医
累計執刀数 15,000件以上
経歴
2015年
・佐賀大学医学部医学科 卒業
・東京大学医学部附属病院 勤務
2017年
・湘南美容外科 入職
・湘南美容外科 横須賀院 院長 就任
2021年
・湘南美容外科 仙台院 院長 就任
・北海道東北エリア統括 医師 就任
2025年
・RÉ CLINIQUE SENDAI 開院
資格・所属学会
・日本美容外科学会(JSAS)専門医
・VASER 認定医
学会発表
・第113回 日本美容外科学会
クマ治療の他院修正について発表
「皮膚剥離を行わず下眼瞼脂肪に対するアプローチ」