クマ取り手術の落とし穴|後悔しないために知っておくべき7つの注意点
リード文
「目の下のくまが気になって、くまとり治療を受けたい」「でも失敗したらどうしよう…」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
くまとり手術は、適切に行えば目元の印象を大きく改善できる効果的な施術です。しかし残念ながら、「思っていたのと違った」「かえって老けて見えるようになった」といった声があるのも事実です。
実は、くまとり手術にはいくつかの「落とし穴」が存在します。これらを知らずに施術を受けてしまうと、期待とは異なる結果になったり、後悔につながったりすることがあります。
この記事では、くまとり手術を検討している方に向けて、施術前に必ず知っておくべき注意点を、美容外科医の視点から詳しく解説します。「こんなはずじゃなかった」という後悔を避けるために、ぜひ最後までお読みください。
目次
- くまとり手術とは?基本的な仕組み
- 落とし穴その1:自分のくまのタイプを誤解している
- 落とし穴その2:脱脂だけでは解決しないケース
- 落とし穴その3:術後にくぼみが目立つことがある
- 落とし穴その4:左右差が生じる可能性
- 落とし穴その5:効果が感じられない体質の存在
- 落とし穴その6:適切なダウンタイム管理をしていない
- 落とし穴その7:医師の経験不足
- 失敗を避けるための5つのチェックポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
くまとり手術とは?基本的な仕組み
くまとり治療とは、目の下のくま(特に黒クマ)を改善するための施術です。主な方法として、余分な眼窩脂肪を取り除く「脱脂法」、くぼみに脂肪を注入する「脂肪注入併用法」、さらに脂肪を移動させる「ハムラ法」などがあります。
目の下に膨らみがあると、その下に影ができて黒く見えます。これを「黒クマ」と呼びます。脱脂法は、この膨らみの原因となっている脂肪を取り除くことで、影を目立たなくし、ハムラ法は凹みに脂肪を移動させることで凹凸を目立たなくする仕組みです。
一見シンプルに思えますが、実は非常に繊細で高度な技術が必要です。では、具体的にどのような落とし穴があるのか見ていきましょう。
落とし穴その1:自分のくまのタイプを誤解している
くまには3つのタイプがある
くまは大きく分けて以下の3種類があります。
青クマ:血行不良が原因。目の下の薄い皮膚を通して眼輪筋が青く見える状態
茶クマ:色素沈着が原因。紫外線やこすりすぎによってメラニンが蓄積した状態
黒クマ:目の下の脂肪の膨らみやくぼみによる影が原因
くまとり手術が効果的なのは、黒クマと青クマだけです。茶クマには、別のアプローチが必要になります。
混在型に要注意
実際には、複数のタイプが混在しているケースが多く見られます。たとえば、黒クマと茶クマが両方ある場合、手術だけでは完全には改善しませんし、茶クマがかえって目立つ場合もあります。
「くまとり手術を受けたのに、まだくまが残っている」と感じる方の多くは、このケースに当てはまります。施術前に、自分のくまがどのタイプなのか、医師にしっかり診断してもらうことが重要です。
落とし穴その2:脱脂だけでは解決しないケース
皮膚のたるみがある場合
40代以降の方に多いのが、脂肪の膨らみだけでなく、皮膚自体にたるみがあるケースです。
たとえるなら、パンパンに膨らんだ風船から空気を抜いたような状態を想像してください。脂肪を取り除いても、伸びた皮膚はそのまま残ってしまいます。この場合、脱脂や脂肪移動だけでなく、余分な皮膚を切除する「下眼瞼皮膚切除」が必要になることがあります。
くぼみが元々ある場合
目の下に元々くぼみがある方が脱脂だけを行うと、くぼみがさらに目立つことがあります。この場合は、脱脂と同時に脂肪注入を行う「脱脂+脂肪注入併用法」がや裏ハムラ法が推奨されます。
くぼみがあるかどうかは、自分ではなかなか気づきにくいものです。医師が上を向いたり、照明の角度を変えたりしながら診察するのは、このくぼみの有無を確認するためです。
落とし穴その3:術後にくぼみが目立つことがある
脂肪の取りすぎによるくぼみ
くまとり治療で最も多いトラブルのひとつが、「脂肪を取りすぎてくぼんでしまった」というケースです。
目の下の脂肪は、適度にあることでふっくらとした若々しい印象を保っています。取りすぎると、かえって老けた印象になったり、疲れて見えたりすることがあります。
経年変化によるくぼみ
施術直後は良かったのに、数年後にくぼみが目立ってきたというケースもあります。これは、加齢によって頬の脂肪が下がったり、皮膚が薄くなったりすることで起こります。
20代〜30代前半で施術を受けた方は、この経年変化を予測して、やや控えめに脂肪を取ることが推奨される場合があります。
落とし穴その4:左右差が生じる可能性
元々の左右差
実は、人間の顔は完全に左右対称ではありません。目の大きさや骨格、脂肪のつき方なども微妙に異なります。
施術前に左右差がある場合、手術で完全に揃えることは難しいケースがあります。特に、元々片方だけ膨らみが強い場合は、施術後も多少の左右差が残る可能性があります。
術後の腫れによる一時的な左右差
術後数日〜数週間は、腫れ方に左右差が出ることがあります。これは多くの場合、時間とともに改善しますが、不安になる方も多いポイントです。
最終的な仕上がりは、術後3〜6ヶ月程度で判断することが一般的です。
落とし穴その5:効果が感じられない体質の存在
脂肪量が少ないケース
目の下の膨らみがそれほど大きくない方の場合、脱脂をしても劇的な変化を感じられないことがあります。
「SNSで見た劇的なビフォーアフターを期待していたのに、自分はあまり変わらなかった」というケースです。施術前のカウンセリングで、どの程度の変化が期待できるか現実的に確認しておくことが重要です。
落とし穴その6:適切なダウンタイム管理をしていない
ダウンタイム中の過ごし方で仕上がりが変わる
くまとり治療の仕上がりは、ダウンタイム中の過ごし方に大きく左右されます。以下のような行動は、腫れや内出血を長引かせる原因になります。
- 激しい運動
- 長時間の入浴やサウナ
- 飲酒
- 目を強くこする
- うつぶせ寝
ダウンタイムの個人差を軽視する
「友達は3日で腫れが引いたのに、私は1週間経ってもまだ腫れている」と不安になる方がいます。しかし、ダウンタイムの長さには個人差があります。
皮膚が薄い方、もともとむくみやすい体質の方、血管が目立ちやすい方などは、ダウンタイムが長引く傾向があります。
落とし穴その7:医師の経験不足
目元は最も技術が必要な部位
目の周りは皮膚が薄く、血管や神経が密集している繊細な部位です。さらに、顔の中で最も目立つ場所でもあります。わずかな左右差や取り残し、取りすぎが、大きな見た目の差につながります。
症例数だけでなく「経験の質」も重要
「年間◯◯件の症例実績」という数字だけで判断するのは危険です。重要なのは、様々なタイプのくまに対応した経験があるかどうかです。
たとえば、若い方の単純な脱脂は比較的行いやすいですが、40代以降のたるみを伴うケースや、修正手術などは高度な技術と経験が必要です。
失敗を避けるための5つのチェックポイント
1. カウンセリングで十分な時間をかける
良い医師は、カウンセリングに十分な時間をかけます。以下のポイントを確認しましょう。
- 自分のくまのタイプを詳しく診断してくれるか
- 脱脂だけでいいのか、他の方法も必要か説明してくれるか
- リスクやデメリットも正直に話してくれるか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
2. 症例写真で確認する
自分と似た年齢・肌質・くまのタイプの症例写真を見せてもらいましょう。特に、「術後数ヶ月〜1年経過した写真」があるかどうかが重要で、1か月までの経過はそこまで重要ではありません。
直後の写真だけでなく、時間が経過してからの状態を確認できるクリニックは信頼性が高いといえます。
3. セカンドオピニオンを検討する
複数のクリニックでカウンセリングを受けることをおすすめします。異なる医師から同じ診断や治療提案があれば、その方法が妥当である可能性が高まります。
4. 術後のフォロー体制を確認する
万が一のトラブルや、気になることがあった時に、すぐに相談できる体制が整っているか確認しましょう。
- 術後の診察は無料か
- 緊急時の連絡先はあるか
- 修正が必要な場合の対応方針
5. 急かされない
「今日決めれば割引」「この時期がベスト」などと即決を迫られた場合は注意が必要です。良い医師は、患者さんがじっくり考える時間を大切にします。
よくある質問(Q&A)
Q1. くまとり治療は一度受ければ永久に効果が続きますか?
A. 取り除いた脂肪が再び増えることはありませんが、加齢によって新たなくぼみやたるみが生じることはあります。完全に元に戻ることは稀ですが、10年、20年後には追加の治療が必要になることもあります。
Q2. 失敗した場合、修正手術はできますか?
A. 脂肪を取りすぎてくぼんでしまった場合は、脂肪注入やヒアルロン酸注入で改善できることがあります。ただし、元の状態に完全に戻すことは難しいケースもあります。
Q3. 年齢によって適した治療法は変わりますか?
A. 一般的に、20代〜30代前半は脱脂のみで良い結果が得られることが多いです。30代後半以降は、皮膚のたるみも考慮して、切開法や脂肪注入併用法が推奨されることが増えます。
Q4. 施術後、どのくらいで最終的な仕上がりになりますか?
A. 腫れや内出血がほぼ落ち着くのは1〜2週間程度ですが、最終的な仕上がりを判断するには3〜6ヶ月程度必要とされています。この間に細かい調整が行われていきます。
Q5. くまとり治療を受けない方がいい人はいますか?
A. 目の下の脂肪がほとんどない方や、くまの主な原因が色素沈着や血行不良である方は、くまとり治療では満足のいく結果が得られない可能性があります。まずは正確な診断を受けることが重要です。
まとめ
くまとり治療は、適切に行えば目元の印象を大きく改善できる効果的な施術です。しかし、いくつかの「落とし穴」を知らずに受けると、期待とは異なる結果になることがあります。
くまとり治療の主な落とし穴
- 自分のくまのタイプを誤解している
- 脱脂だけでは解決しないケースがある
- 術後にくぼみが目立つことがある
- 左右差が生じる可能性がある
- 効果が感じられない体質の存在
- 適切なダウンタイム管理をしていない
- 医師の経験不足
これらの落とし穴を避けるためには、以下が重要です。
- 信頼できる経験豊富な医師を選ぶ
- カウンセリングで十分な時間をかける
- 自分のくまのタイプを正確に診断してもらう
- 現実的な期待値を持つ
- セカンドオピニオンを検討する
- 術後のケアをしっかり行う
「こんなはずじゃなかった」という後悔を避けるために、焦らず慎重に検討することが何より大切です。不安なことがあれば、遠慮なく医師に質問し、納得してから施術を受けるようにしましょう。
あなたの目元が理想の状態になり、より前向きな毎日を過ごせることを願っています。

執筆
院長 田中 龍二
TANAKA Ryuji
RÉ CLINIQUE SENDAI 院長
元 湘南美容外科 仙台院院長
北海道・東北エリア統括医
累計執刀数 15,000件以上
経歴
2015年
・佐賀大学医学部医学科 卒業
・東京大学医学部附属病院 勤務
2017年
・湘南美容外科 入職
・湘南美容外科 横須賀院 院長 就任
2021年
・湘南美容外科 仙台院 院長 就任
・北海道東北エリア統括 医師 就任
2025年
・RÉ CLINIQUE SENDAI 開院
資格・所属学会
・日本美容外科学会(JSAS)専門医
・VASER 認定医
学会発表
・第113回 日本美容外科学会
クマ治療の他院修正について発表
「皮膚剥離を行わず下眼瞼脂肪に対するアプローチ」