裏ハムラ法とは?くまとり治療の最前線を徹底解説

くまとり 安全性・リスクについて

裏ハムラ法は、目の下のくまやたるみを改善する高度な治療法です。従来の脱脂法との違い、メリット・デメリット、ダウンタイム、向いている人・向いていない人まで、美容外科医が分かりやすく解説します。

今回の記事は

「目の下のくまが気になって、色々調べていたら『裏ハムラ法』という言葉を見つけたけれど、難しそうでよく分からない…」

そんな方も多いのではないでしょうか。裏ハムラ法は、目の下のくまやたるみを改善する治療法のひとつで、脱脂のみでは症状の改善が難しい症例に対して選択肢となる施術です。

しかし、専門的な内容が多く、「自分に合っているのか」「どんなリスクがあるのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。

この記事では、裏ハムラ法について、基本的な仕組みから他の治療法との違い、メリット・デメリット、ダウンタイムまで、美容外科医の視点から詳しく解説します。目の下のくま治療を検討している方の、判断材料になれば幸いです。

目次

  1. 裏ハムラ法とは?基本的な仕組み
  2. 従来の脱脂法との決定的な違い
  3. 裏ハムラ法のメリット
  4. 裏ハムラ法のデメリットとリスク
  5. 裏ハムラ法が向いている人・向いていない人
  6. 手術の流れとダウンタイム
  7. よくある質問(Q&A)
  8. まとめ

裏ハムラ法とは?基本的な仕組み

目の下のくまとたるみのメカニズム

裏ハムラ法を理解する前に、まず目の下のくまやたるみがなぜできるのかを簡単に説明します。

目の周りには、眼球を保護するためのクッションのような脂肪(眼窩脂肪)があります。若い頃はこの脂肪がきれいに収まっていますが、加齢とともに支える組織が緩むと、脂肪が前方に押し出されて「膨らみ」ができます。

そして、この膨らみの下にできる「影」が黒クマとして見えるのです。さらに、膨らみの下の部分(頬との境目)がくぼんで見えることで、より老けた印象になります。

裏ハムラ法の基本原理

裏ハムラ法は、この目の下の問題を「脂肪を取り除く」のではなく、「脂肪を移動させる」ことで解決する方法です。

具体的には、目の下の膨らんだ脂肪を、その下のくぼんだ部分に移動させて固定します。これにより、以下のような効果が期待できます。

  • 膨らみが平らになる
  • くぼみが埋まる
  • 影が目立たなくなる
  • 滑らかな目の下のラインが実現する

たとえるなら、「高くなった土地の土を、低くなった土地に移動させて平らにする」イメージです。

「裏」ハムラ法の意味

裏ハムラ法の「裏」とは、アプローチする場所を指しています。

目の下にアプローチする方法は大きく2つあります。

裏ハムラ法(経結膜アプローチ) 目の裏側(結膜側)から切開してアプローチする方法。皮膚表面に傷跡が残りません。

表ハムラ法(経皮的アプローチ) 目の下の皮膚側から切開してアプローチする方法。余分な皮膚も同時に切除できます。

一般的に「裏ハムラ法」という場合は、経結膜アプローチを指すことが多いです。

従来の脱脂法との決定的な違い

従来の脱脂法とは

従来、目の下のくま治療として一般的だったのは「脱脂法」です。これは、膨らみの原因となっている眼窩脂肪を取り除く方法です。

脱脂法のメリットは、比較的シンプルでダウンタイムが短いことです。若い方で、くぼみがない場合には良い適応となります。

脱脂法の限界

しかし、脱脂法には以下のような限界がありました。

くぼみが目立つことがある 脂肪を取り除くだけなので、元々くぼみがある方や、将来的にくぼみができやすい方では、かえってくぼみが強調されることがあります。

老けた印象になることがある 脂肪を取りすぎると、しわなどが増えかえって老けて見えることがあります。

裏ハムラ法がもたらした変化

裏ハムラ法は、これらの問題を解決するために考案されました。

脂肪を「捨てる」のではなく「活かす」という発想の転換により、より自然で長持ちする結果が期待できるようになったのです。

裏ハムラ法のメリット

メリット1:自然な仕上がり

脂肪を移動させることで、目の下から頬にかけて滑らかなラインが実現します。段差やくぼみが目立ちにくく、自然な若々しさを取り戻せます。

メリット2:くぼみの予防

脱脂法では、将来的にくぼみが出る可能性がありますが、裏ハムラ法では脂肪を残すため、くぼみのリスクが低減されます。

メリット3:皮膚表面に傷跡が残らない

目の裏側からアプローチするため、外から見える部分に傷跡は残りません。これは大きな安心材料です。

メリット4:長期的な効果

移動させた脂肪はその場所に定着するため、効果が長持ちすることが期待できます。ただし、加齢による変化は完全には止められません。

メリット5:同時に複数の悩みを解決

膨らみ、くぼみ、影、たるみ感——複数の悩みを一度の手術で改善できる可能性があります。

裏ハムラ法のデメリットとリスク

デメリット1:技術的な難易度が高い

裏ハムラ法は、高度な技術と経験が必要な手術です。脂肪をどの位置に、どれだけ移動させるかの判断が難しく、医師の技術によって結果が大きく左右されます。

デメリット2:ダウンタイムがやや長い

単純な脱脂法に比べて、腫れや内出血が強く出たり、長引いたりすることがあります。一般的には1〜2週間程度のダウンタイムを見込む必要があります。

デメリット3:左右差が出る可能性

元々の顔の構造や脂肪の量に左右差がある場合、完全に対称にすることは難しいことがあります。

デメリット4:費用が高い傾向

技術的な難易度が高いため、単純な脱脂法に比べて費用が高くなることが一般的です。

裏ハムラ法が向いている人・向いていない人

向いている人

以下のような方には、裏ハムラ法が適している可能性があります。

目の下のくぼみがある方 膨らみだけでなく、くぼみも気になる方には特に有効です。

脱脂法だけでは改善が不十分と診断された方 他院で「脱脂だけでは難しい」と言われた方にも選択肢となります。

自然な仕上がりを重視する方 過度な変化ではなく、周囲に気づかれにくい自然な改善を望む方に向いています。

将来的なくぼみを予防したい方 20代後半〜30代で、将来を見据えた治療を希望する方にも適しています。

向いていない人

以下のような方には、別の治療法が推奨されることがあります。

目の下の脂肪がほとんどない方 移動させる脂肪自体が少ない場合、裏ハムラ法は適応外となります。

皮膚のたるみが強い方 皮膚自体に余りがある場合は、皮膚を切除する「表ハムラ法」や「下眼瞼皮膚切除法」が適していることがあります。ただし、先に裏ハムラを行い、後から皮膚のみ切除することは可能です。

ダウンタイムを取れない方 仕事や学校などの都合で、十分な回復期間を確保できない方には難しいかもしれません。

若年で単純な脂肪の膨らみだけの方 20代前半で、くぼみがなく単純に脂肪の膨らみだけが気になる場合は、シンプルな脱脂法で十分なことが多いです。

手術の流れとダウンタイム

手術の流れ

1. 麻酔 局所麻酔または静脈麻酔を行います。痛みを感じることはありません。

2. 切開 目の裏側(下まぶたの結膜)を切開します。外から見える傷はできません。

3. 脂肪の処理 眼窩脂肪を適切な量だけ取り出し、下方のくぼみ部分に移動させます。

4. 固定 移動させた脂肪を、周囲の組織にしっかりと固定します。

5. 隔膜強化 眼窩隔膜をしっかり固定します。糸は溶ける糸を使用することが多いです。

手術時間は両目で40~60分程度が一般的です。

ダウンタイムの経過

術後直後〜3日 腫れや内出血が最も強く出る時期です。目の下だけでなく、まぶた全体が腫れぼったくなることもあります。冷やしすぎず、安静に過ごすことが推奨されます。

術後1週間 腫れや内出血は徐々に落ち着いてきますが、まだメイクでカバーが必要な程度です。抜糸がある場合は、この時期に行われます。

術後2週間 ほとんどの腫れや内出血は治まり、メイクやメガネで十分カバーできるレベルになります。多くの方がこの時期から仕事復帰されます。

術後1ヶ月 見た目の変化はほぼ落ち着きます。ただし、触ると少し硬さが残っていることがあります。

術後3〜6ヶ月 最終的な仕上がりが判断できる時期です。移動させた脂肪が完全に定着し、自然な状態になります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 裏ハムラ法と脱脂+脂肪注入の違いは何ですか?

A. 脱脂+脂肪注入は、一度脂肪を取り出してから、別の場所(太ももなど)から採取した脂肪を注入する方法です。裏ハムラ法は、目の下の脂肪をそのまま下方に移動させる方法です。裏ハムラ法の方が、脂肪の定着率が高く、別の部位を傷つけずに済むというメリットがあります。ただし、中顔面の凹みが強い場合には裏ハムラと脂肪注入を併用することもあります。

Q2. 効果は永久に続きますか?

A. 移動させた脂肪自体は定着しますが、加齢による変化は続きます。10年、20年後には新たなたるみやくぼみが出る可能性はあります。ただし、何もしない場合に比べれば、はるかに良い状態が保たれることが期待できます。

Q3. 痛みはありますか?

A. 手術中は麻酔が効いているため、痛みはありません。術後は鈍痛や違和感がある程度で、処方される痛み止めでコントロール可能なレベルです。

Q4. 失敗のリスクはありますか?

A. どんな手術にもリスクはあります。裏ハムラ法では、脂肪の移動量が不足したり、左右差が出たり、目を動かす筋肉に影響がでる可能性があります。経験豊富な医師を選ぶことが重要です。

Q5. 他の治療法と組み合わせることはできますか?

A. はい、可能です。たとえば、裏ハムラ法と同時に、目尻のしわ治療や目の上のたるみ治療を行うこともあります。ただし、一度に複数の治療を行うとダウンタイムが長くなることもあるため、医師と相談して決めることが推奨されます。

まとめ

裏ハムラ法は、目の下のくまやたるみを改善する高度な治療法です。従来の脱脂法では解決できなかった「くぼみ」の問題にも対応でき、より自然で長持ちする結果が期待できます。

裏ハムラ法のポイント

  • 脂肪を取り除くのではなく、移動させて活かす
  • 膨らみとくぼみを同時に改善できる
  • 皮膚表面に傷跡が残らない
  • 自然な仕上がりが期待できる
  • 技術的難易度が高く、医師選びが重要
  • ダウンタイムは1〜2週間程度

一方で、技術的な難易度が高いため、経験豊富な医師を選ぶことが非常に重要です。また、すべての人に適しているわけではなく、目の下の状態によっては別の治療法が推奨されることもあります。

「自分には裏ハムラ法が合っているのか」「他の方法との違いは何か」——こうした疑問は、実際にカウンセリングで医師に診察してもらうことで明確になります。

目の下のくまやたるみでお悩みの方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。あなたに最適な治療法を、一緒に見つけていきましょう。

当院へのご相談

当院では、目の下のくま・たるみ治療に関する無料カウンセリングを行っております。

裏ハムラ法をはじめ、脱脂法、脂肪注入、ヒアルロン酸注入など、複数の選択肢の中から、あなたの状態に最適な方法をご提案いたします。

「まだ施術を受けるか決めていない」「他院で提案された治療について意見を聞きたい」という方も大歓迎です。無理な勧誘は一切いたしませんので、安心してご相談ください。

ご予約はお電話またはウェブサイトの予約フォームから承っております。皆様のご来院を、心よりお待ちしております。

執筆
院長 田中 龍二
TANAKA Ryuji
RÉ CLINIQUE SENDAI 院長
元 湘南美容外科 仙台院院長
北海道・東北エリア統括医
累計執刀数 15,000件以上

経歴
2015年
・佐賀大学医学部医学科 卒業
・東京大学医学部附属病院 勤務
2017年
・湘南美容外科 入職
・湘南美容外科 横須賀院 院長 就任
2021年
・湘南美容外科 仙台院 院長 就任
・北海道東北エリア統括 医師 就任
2025年
・RÉ CLINIQUE SENDAI 開院

資格・所属学会
・日本美容外科学会(JSAS)専門医
・VASER 認定医

学会発表
・第113回 日本美容外科学会
 クマ治療の他院修正について発表
 「皮膚剥離を行わず下眼瞼脂肪に対するアプローチ」

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